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実効性のない新基準値 [天録時評]

 被災地復興に逆効果
 福島第一原子力発電所の事故によって、一時はスーパーから福島産の農産物が消えたが、今では首都圏のスーパーにも福島産が店頭に並ぶ程になった。しかし政府が昨年四月に食品の安全と安心を確保するとして見直した食品中の放射性セシウムの基準値においても、科学的とは言えない決定がなされた。この厳しい基準値を適用しても内部被曝線量が劇的に低減されるというものではない。逆に厳しい基準値のために農産物が出荷できなくなり生産者の意欲を減退させるだけだ。さらには、放射線は限りなくゼロにすべきだという風潮を強めてしまう。

平成25年4月5日 日本時事評論より

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