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憲法前文は稀代の悪文 [巷の露]

 日本国憲法は、総司令部民生局が提示した草案を訳して、作成したことは今や周知の事実ですし、文章を読めばすぐにわかります。翻訳者が初心者だったのか、初歩的な誤りも指摘されています。しかし、公的には翻訳憲法であることは否定されているので、翻訳も存在しないことになっています。そうだとすると、日本人がこの悪文を作ったことになりますが、その汚名を着せられる当時の政府の関係者は墓の下で泣いているでしょう。
 『日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する』。
 一度は読まれたことがあるでしょうが、憲法の前文の最初の文章です。ここに引用するのもはばかれるような悪文です。何度読んでも意味が理解しにくく、だらだらと長い文章は、気分が悪くなります。「代表者を通じて行動し」の「行動し」は初歩的誤訳で、ない方がまだましです。「代表者を介して」あるいは「代理として」とか、ましな訳というか、日本語はいろいろありそうです。また「憲法を確定する」は、「憲法を制定する」と書くのが日本語でしょう。
 文章を作成する時に、最も苦労するのが、書き出しの文章です。それは、最初の文章で、文章全体の良し悪しが決まってしまうからです。とりわけ国の最高法規の憲法であれば、格調の高さと簡潔さなどが求められます。総司令部の原案は当然、アメリカ憲法を下地に作られました。アメリカ憲法は練りに練られた美文です。ところが、それを単純に翻訳したために、稀代の悪文となったわけです。一国の文化の水準をも示す憲法が、最悪の文章で綴られています。この一事をもってしても直ちに新憲法の制定に取り掛かるべきでしょう。

平成25年5月3日 日本時事評論より

タグ:憲法改正
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Shokikoureisha

分詞構文"acting through our duly elected representatives in the National Diet, "「選挙により公正に選出された国会議員を通じ国会において決議される(ことになる)」(拙訳) を、「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」なんて英文和訳として赤点としか思えないような誤訳をしていて、全くわけわからん文章になっていますね。
そもそも英文もこの分詞構文を文頭に持って来ず、「この憲法を制定する。」前あたりに持って来れば、<国民は国会議員を通じ議会で、この憲法を制定する>のがハッキリすると思いますね。

英語自体も貼ってつけたようだし、さらにそれを訳した人の日本語能力も低く、結果日本語で書かれた憲法は文章力として二流三流としか言えないでしょう。
by Shokikoureisha (2014-05-06 20:28) 

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